2013年10月16日水曜日

【速報】 ローカライザー休止中の富山空港(3) - ANA885便がRNAV(GNSS)アプローチを実施

※富山空港のローカライザー休止については過去のブログ記事
もご参照ください。

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※個人的・趣味的な研究扱いでお願いします(

本日、10月16日のANA885便(Boeing 787-8 JA807A)が富山空港にて「RNAV(GNSS)RWY20 Approach」を実施しました。

ANAによる、富山空港で初めてのRNAV(GNSS)Approachとなった模様です。
(一部の外国航空会社は従来より実施中)


前回のレポート

「ローカライザー休止中の富山空港(2) - アンテナ・局舎の更新状況&新しいFIX名が出来る件」

でご紹介したとおり、10月9日のJASMAレポートでは、ANA「777/787/767/737NG」の各機体において「RNP-APCH Approved」となっていました。

これにより、ANAの当該機種が富山空港でRNAV(GNSS)アプローチを行う可能性があったのですが、本日10月16日のANA885便(Boeing 787-8 JA807A)において「RNAV(GNSS) RWY20 Approach」が実施されました。

※後続の887便(Boeing 767-300 JA602A)、889便(Boeing 787-8 JA817A)、891便(Boeing 787-8 JA818Aも実施
なおこの日は台風の影響により、881便・883便は欠航


それでは、そのANA885便の航跡を見てみましょう。

10月16日 ANA885便による「RNAV(GNSS) Approach」


アプローチクリアランスで「富山アライバル」を指示されたANA885便は、エアドゥの札幌便(ADO79便)の離陸を待つためにMEDICにてホールド。

VOR-Aアプローチを行う場合であれば、臨時設定されている「雷鳥アライバル」を使用して富山VORDME(TOE)にてホールドするのが一般的)

そしてエアドゥが離陸後、「RNAV(GNSS) Approach」にて着陸しました。

風向きを考慮して滑走路02への周回進入が実施されましたが、風の影響もあってか一度ゴーアラウンド。
ミストアプローチコースには乗らずに滑走路02のレフトダウンウインドへ再進入、着陸となりました。
これは視程には問題がなかったため、管制より当該指示がありました。


着陸したのは台風の影響による遅れもあり15時20分頃。
当時のMETARは以下の通りです。

「RJNT 160600Z 30012KT 9999 -SHRA FEW010 BKN020 14/11 Q1009」


10月16日のANA889便も同様にRNAV(GNSS)Approachを実施
RJNT 161000Z 23006KT 9999 -SHRA FEW020 SCT040 BKN060 13/10 Q1016

10月16日 ANA891便による「RNAV(GNSS)Approach」
     RJNT 161200Z 27005KT 9999 FEW025 SCT080 12/10 Q1018


ここで「RNAV(GNSS) RWY20」のチャートを再掲します。




富山空港はノンレーダー空港のため、「RNP0.3 required」の条件付き(赤矢印)。

この「RNP0.3 required」の要件を満たすためには、「RNP-APCH」の認証を受ける必要があったのですが、10月9日のJASMAレポートによるとANAの多くの機種・機体で可能(Approved)となりました。

この「RNP-APCH」の認証要件には「SBAS(MSAS)受信機の搭載が必要」(by羽田空港「空の日」で、チェックスター付近にいらした詳しい方←お察しください)との事でしたが、レポートによるとANAは一度に「174機」の機体認証が行われたことになります。
これだけ一度に認証されたのはちょっと驚きでした。
(ANAがこれらすべてにMSAS受信機を搭載して認証を受けたのか、または国交省の認証基準が既存のGNSSセンサー等のみで取得可能になったのかは不明ですが…)

※外国航空会社が日本国内でRNAV(GNSS)アプローチを実施する場合は、母国での認証により日本で運航可能

この認証で興味深いのは、ANA(ALL NIPPON AIRWAYS)として737-700/800の各機体(JA○○AN)は可能のなっているものの、同機番を運航するのがANA WINGSとなった場合は不可能となっている事。
個別の機体に与えられるだけでなく、運航会社とセットで認証されています。

ローカライザー停波中はよほどの事がない限り、富山空港においてはRNAV(GNSS)Approachが行われるのではないかと思われます。

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もう、VOR-Aアプローチは見られない?



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それでは、ローカライザーの供用再開後はどちらのアプローチ方法が主に使われるようになるのでしょうか。

従来の「LOC Z RWY20」と比べると視程や最低降下高度等の高さは同じなのですが、LOC Z RWY20には「ローカライザーオフセット」の存在がありります。
ローカライザーの電波に従って進入してきても、最後は目視により滑走路へアラインする必要があるのです(0.87度ですけどね)。

またMAPt(Missed Approach Point)がRNAV(GNSS) Approachの場合は滑走路端であるという点も有利に働くのかもしれません。

LOC Z RWY20のチャート
RNAV(GNSS) RWY20と比べ、MINIMAの数値は同じですが…

ローカライザーのオフセットがあるので、ギリギリの気象条件の時はRNAVが有利?


なお、富山空港に飛来の可能性がある「エアバス A320」「ボーイング 737-500」については「RNP-APCH」を取得していないため、従来どおりVOR-Aアプローチを行うものと思われます。
エアドゥ機についても同様です。
※10月9日現在


「RNP-APCH」、今後も注目していきたいと思います。
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